EF65 1000番台は高速旅客列車および高速貨物列車の両方を牽引できるように開発された形式で、Passenger(旅客)、Freight(貨物)の頭文字からPFとも呼称される。
500番台まで続いていた運転台前面窓が5度傾斜したデザインは踏襲されず、単純な垂直となり、飾り帯は設置されなかった。
重連運転に備え前面に貫通扉を設けたが、重連運転されること殆どなく、筆者は一度も目撃したことがない。
筆者がブルートレインを撮影し始めた頃は既に500番台から移行した後で、PFに花形機関車としての印象を強く抱いている。
現在、東海道本線を走行しているPFの機体番号は1000を加算した2000番台が中心であるが、当ページでは敢えて1000番台(not 2000)を掲げることにした。
2021年3月 記

ブルートレインを牽引するPF
撮影:1981年11月29日 根府川駅付近
項目 | 値 | |
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車軸配置 | Bo-Bo-Bo | |
自 重(t) | 96.0 | |
換 算 | 9.5 | |
主要寸法 | 最大長(mm) | 16,500 |
最大幅(mm) | 2,800 | |
最大高(mm) | 3,819 | |
全軸距離(mm) | 12,320 | |
台車中心間距離(mm) | 4,760 x 2 | |
動輪直径(mm) | 1,120 | |
パンタグラフ形式 | PS17 (1056号機〜)PS22B |
|
性能 | 出力(kW) | 2,550 |
引張力(kg) | 20,350 | |
速度(km/h) | 45.0 | |
最高運転速度(km/h) | 100(許容115) | |
台車 | 主台車形式 | DT115B |
中間台車形式 | DT115C | |
歯車比 | 18 : 69 = 1 : 3.83 | |
主電動機(形式 数) | MT52A x 6 (1119号機〜)MT52B x 6 |
|
製造数(輌) | 139 |
1次車

EF65 1012
撮影:1993年01月15日 沼津駅
1次車は昭和44(1969)年に1〜17号機が製造された。
寒冷地仕様ではあったが、当初はツララ切りは装備されず、後に前面窓上部にのみが追加された。
筆者が撮影できた1次車はこの1012号機のみであった。
落成 | 1969-11-05 | 川崎重工・富士電機 |
配属 | 1969-11-05 | 新鶴見機関区 |
転属 | 1970-07-01 | 宇都宮運転所 |
転属 | 1984-02-01 | 田端機関区 |
転属 | 1985-03-10 | 稲沢機関区 |
転籍 | 1987-04-01 | JR貨物 |
転属 | 1989-03-28 | 新鶴見機関区 |
転属 | 1993-03-18 | 岡山機関区 |
廃車 | 2007-06-01 |
※白字は撮影時の所属を示す
2次車

EF65 1018
撮影:1993年03月18日 逗子駅
2次車は昭和45(1970)年に18〜22号機が汽車製造、東洋電機で製造された車輌である。
当初から前面窓と前照灯にツララ切りが装備されていた。
1エンド(前位)側は、貫通扉下の渡り板にジャンパ連結器KE70HD受けが喰い込む仕様で、これは1000番台全車で共通している。
1018号機は2次量産車のトップナンバーで新鶴見機関区に新製配置された車輌。 写真は回送中の北斗星トマムスキー号。
落成 | 1970-01-30 | 汽車製造・東洋電機 |
配属 | 1970-01-30 | 新鶴見機関区 |
転属 | 1971-10-01 | 宇都宮運転所 |
転属 | 1973-10-03 | 下関運転所 |
転属 | 1975-01-29 | 宇都宮運転所 |
転属 | 1984-02-01 | 田端機関区 |
改称 | 1987-03-01 | 田端運転所 |
転籍 | 1987-04-01 | JR東日本 |
廃車 | 1996-11-07 |

EF65 1019
撮影:1993年07月23日 国府津駅
1019〜1022号機は広島機関区に新製配置された車輌。
時代が下ってJR化後に1019号機は、スーパーエクスプレス・レインボー専用の牽引機で、客車に合わせた塗色のチェリーレッドと白抜きのEF65のロゴが華やかな印象を与えていた。
平成10(1998)年に1118号機が同様のカラーリングに変更されたのを機に、1019号機は引退、廃車となった。
落成 | 1970-04-02 | 汽車製造・東洋電機 |
配属 | 1970-04-03 | 広島機関区 |
転属 | 1970-09-28 | 下関運転所 |
転属 | 1975-01-11 | 宇都宮運転所 |
転属 | 1984-02-01 | 田端機関区 |
改称 | 1987-03-01 | 田端運転所 |
転籍 | 1987-04-01 | JR東日本 |
廃車 | 1998-09-01 |
3次車

EF65 1029
撮影:1992年10月01日 金谷駅
3次車は昭和45(1970)年に1019〜1039号機が川崎重工、富士電機で製造された車輌である。
前面のステップが手掛けの外まで廻り込んでいた2次車と比べ、尾灯下までに短縮された外観上の違いがある。
写真は和式客車くつろぎを牽引するEF65 1029。
落成 | 1970-06-15 | 川崎重工・富士電機 |
配属 | 1970-06-15 | 宇都宮運転所 |
転属 | 1984-02-01 | 田端機関区 |
改称 | 1987-03-01 | 田端運転所 |
転籍 | 1987-04-01 | JR東日本 |
廃車 | 1999-06-07 |

EF65 1032
撮影:1992年07月21日 小田原駅
写真は小田急1000系の甲種回送に使用した牽引機。
当時は東海道本線とレールが接続していたため、小田原駅から搬出入していた。
落成 | 1970-08-26 | 汽車製造・東洋電機 |
配属 | 1980-08-26 | 宇都宮運転所 |
転属 | 1984-02-01 | 田端機関区 |
転属 | 1986-10-31 | 新鶴見機関区 |
転籍 | 1987-04-01 | JR貨物 |
転属 | 1993-03-18 | 岡山機関区 |
廃車 | 2011年 |

EF65 1036
撮影:1993年02月24日 国府津駅
落成 | 1970-08-26 | 川崎重工・富士電機 |
配属 | 1970-08-26 | 宇都宮運転所 |
転属 | 1984-02-01 | 田端機関区 |
転属 | 1986-10-31 | 新鶴見機関区 |
転籍 | 1987-04-01 | JR貨物 |
転属 | 1994-03-25 | 高崎機関区 |
改番 | 2012-05〜 | EF65 2036 |
〜2021年現在 |

EF65 1038
撮影:1993年06月13日 富士川駅
落成 | 1970-09-12 | 川崎重工・富士電機 |
配属 | 1970-09-12 | 宇都宮運転所 |
転属 | 1984-02-01 | 田端機関区 |
転属 | 1986-11-01 | 新鶴見機関区 |
転籍 | 1987-04-01 | JR貨物 |
転属 | 1994-03-25 | 高崎機関区 |
転属 | 2008-01-31 | 岡山機関区 |
廃車 | 2011年 |
4次車

EF65 1040
撮影:1984年08月 浜松機関区
4次車は3次車から1年半後の昭和47(1972)年に1040〜1049号機が製造され、 外観上の変更点として、尾灯の上の通風口およびKE59ジャンパ連結器が廃止されたがスカートのボイドはそのまま残った。
落成 | 1972-01-14 | 汽車製造・東洋電機 |
配属 | 1972-01-14 | 宇都宮運転所 |
転属 | 1984-02-01 | 田端機関区 |
転属 | 1986-11-01 | 新鶴見機関区 |
転籍 | 1987-04-01 | JR貨物 |
転属 | 1994-03-25 | 高崎機関区 |
転属 | 1997-03-26 | 新鶴見機関区 |
転属 | 1998-10-03 | 高崎機関区 |
改番 | 2012-05〜 | EF65 2040 |
廃車 | 2016年 |

EF65 1042
撮影:1990年12月01日 根府川 - 真鶴 間
落成 | 1972-02-23 | 汽車製造・東洋電機 |
配属 | 1972-02-24 | 宇都宮運転所 |
転属 | 1984-02-01 | 田端機関区 |
転属 | 1986-11-01 | 新鶴見機関区 |
転籍 | 1987-04-01 | JR貨物 |
転属 | 1994-12-03 | 高崎機関区 |
廃車 | 2011年 |

EF65 1043
撮影:1992年05月15日 三島駅
1040〜1043号機は汽車製造、東洋電機で製造された。
落成 | 1972-03-13 | 汽車製造・東洋電機 |
配属 | 1972-03-14 | 宇都宮運転所 |
転属 | 1984-02-01 | 田端機関区 |
転属 | 1986-11-01 | 新鶴見機関区 |
転籍 | 1987-04-01 | JR貨物 |
転属 | 1994-12-03 | 高崎機関区 |
転属 | 1997-04-01 | 新鶴見機関区 |
転属 | 1998-10-03 | 高崎機関区 |
廃車 | 2011年 |

EF65 1046
撮影:1992年07月21日 小田原駅
1044〜1049号機は川崎重工・富士電機で製造。
落成 | 1972-01-26 | 川崎重工・富士電機 |
配属 | 1972-01-29 | 宇都宮運転所 |
転属 | 1984-02-01 | 田端機関区 |
転属 | 1986-11-01 | 新鶴見機関区 |
転籍 | 1987-04-01 | JR貨物 |
転属 | 1998-10-02 | 高崎機関区 |
廃車 | 2011年 |
5次車

EF65 1050
撮影:1993年05月17日 富士川駅
5次車は昭和47(1972)年9月に1050〜1055号機のロットで、川崎重工・東洋電機で製造された車輌である。
外観上の変化は4次車で廃止されたKE59ジャンパ連結器の位置にあったスカートのボイドが消失した点である。
落成 | 1972-09-14 | 川崎重工・東洋電機 |
配属 | 1972-09-14 | 下関運転所 |
転属 | 1975-02-21 | 宇都宮運転所 |
転属 | 1984-02-01 | 田端機関区 |
転属 | 1986-11-01 | 新鶴見機関区 |
転籍 | 1987-04-01 | JR貨物 |
転属 | 2008-05-08 | 高崎機関区 |
転属 | ? | 新鶴見機関区 |
改番 | 2012-05〜 | EF65 2050 |
〜2021年現在 |

EF65 2050
撮影:2020年06月09日 早川 - 根府川 間
27年後の同車輌。
JR貨物のPFで保安装置搭載が完了した車輌は車番に1000を足し改番される措置が2012年5月から実施された。
1050号機は車体番号標記をブロック式に更新したが、ブレーキ系の常用減圧促進改造は行われていないため、赤プレートは掲げていない。
2021年現在、5次車で現役は2050号機のみで、他は2011年までに廃車となった。