シキ800 B2C + シキ801 B2C 全景
この当時でも大物車シキの重連は珍しく、まして撮影可能な時間帯を走行するという情報を見て、鶴見線安善駅まで遠征したときの写真である。今ならば、祭となる一大イベントであったが、当時は同業者を鶴見線全体でも数人見かけた程度と全く平和な時代であった。
それにしても、100t超の変圧器を輸送する大物車重連の光景はまさに圧巻そのものであった。
2020年4月 記
シキ800形は昭和48(1973)年に初号機であるシキ800が、翌年にこのシキ801が製造され、時代が下った平成8(1996)年に3号機となるシキ810が増備された。
シキ800形は吊り掛け式荷受梁のB1、B2と落し込み式荷受梁のCタイプがあり、積荷の形状により選択される。
C荷受梁は単独で使用することはできず、B2と組合せて使用される。
写真はこのB2梁 + C梁のシキ800形重連で運用されたときのものである。
シキ800が2019年に廃車されたため、二度と見ることのできない光景となってしまった。
撮影:1993.06.27. 安善駅
シキ800
シキ800 B2C 全景
ディテール
シキ800のC梁
写真中央の黒い躯体がC梁で、青い変圧器はここに吊掛けられている。 C梁は進行方向前後のB2梁で支持されており、単独で用いることは出来ない。 シキ800のB2梁にはその表記はないが、後述するシキ801のB2梁と同一形状であることは明らかである。 よって当サイトではB2Cと記述することにした。
多気駅常備。
- ▲ シキ800C
- 荷重 140t
- 自重 71.1t
- 積 17.0 空 7.0
B2梁の幅の調整
シキ800形のB2梁は左右の幅が調整できる。 B1梁が円形ハンドルによる調節だったのに対し、B2梁は油圧ジャッキ式であるのが見て取れる(心皿上部にある白い棒がジャッキのレバー)。 枕梁の上には空車時にB2梁どうしを連結する部材が置かれているのも判る。
シキ801
シキ801 B2C 全景
ディテール
シキ801 B2梁
車体に記載された内容
B2梁
- 日本通運株式会社
- 荷重 160.0t
- 自重 63.1t
- 日本通運株式会社
枕梁
- 小山駅常備
台車上枠
- シキ801
シキ801 C梁
シキ801のC梁には何も記載されていない。
手元の資料ではシキ800形のC梁は1組のみの製造とあるが、写真で見る限りシキ800のものと同一形状をしている。
ちなみに当時の鉄道雑誌に今回の編成は「機関車 + シキ800C + シキ801B2 +ヨ」と記載されていた。
ことによると、車体表記されていない梁は車籍登録がされておらず、アタッチメント扱いなのかもしれない。
シキ801 B2梁
車体に記載された内容
B2梁
- 空車回送受圧板
- 赤黄白
- 542
- 突放禁止
- シキ801B2
- 積 17.5
- 空 6.5
- 形式 シキ800
NC-3C台車
台車の配置は2-2-2-2軸複式ボギーで2組の台車を台車上枠が、2組の台車上枠にまくら枠が載る構造であることが見て取れる。車輪の直径は800mmと重心を低くした設計である。