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ブルートレイン 駅 STATION

- 記念入場券 2/3 -

ブルートレイン「駅」号  日本一周6,000kmの旅 記念入場券 その2 表面

ブルートレイン「駅」号
日本一周6,000kmの旅 記念入場券 その2 表面

銭函駅、札幌駅、留萌駅、増毛駅の入場券がセットに。

ブルートレイン「駅」号 日本一周6,000kmの旅 記念入場券 その2 裏面

日本一周6,000kmの旅 記念入場券 その2 裏面

東宝 “駅 STATION,, 製作記念

雪の駅に人生を乗り換えて女がひとり……
ばたばたと愛をふりはらう男がひとり……

『1961年1月 餞函 ―
  しんしんと雪の降り続く北海道銭函駅のホーム』

 英治(高倉 健)は妻の直子(いしだあゆみ)と4才になった一人息子義高と別れた。離婚することはなかったのかも知れない。たった一回の過ちを、直子が、もう充分苦しみ悔いていることを英治は知っていた。また離婚の原因のひとつは、オリンピック選手であるため合宿生活の続いた英治自身にあることも知っていた。だが英治は警察官だったから、勝たなければいけない選手だったから、別れなければならなかったのかも知れない。
 静かに雛婚を承知した直子は、動き出した汽車の中で、何を思ったか涙が吹き出しかけている目で英治を見つめてニコッと笑つた、そしてお道化て敬礼した。
 やがて粉雪が列車を白く消した。 東京の実家に帰ってゆく直子と義高を乗せて――。   メキシコ・オリンピックまであと278日。英治は来る日も来る日も強化合宿でビストルを撃ち続けた。

『1976年6月 上砂川 ―』

妹の冬子(古手川祐子)が結婚した。なぜか、愛する義二(小松正人)とではなく、伯父がすすめた見合の相手とであった。英治は、そんな冬子の心にとまどいを覚え、義二は結婚式の夜に荒れた。
 すず子(烏丸せつこ)の心も英治たち警察官には理解できなかった。英治は、オリンピック強化コーチのかたわら、赤いミニスカートの女だけを狙う連続通り魔事件を追っていた。そして吉松五郎が犯人として浮びあがった。

五郎は増毛駅前の風待食堂につとめるすず子の兄であるが、数日前から失踪していた。
 すず子の尾行をつづけている英治のところへ、コーチ解任の知らせがとどいた。英治のスパルタ訓練に耐えられなくなった選手たちの造反によるものだった。
 すず子は少し頼りなげだが嘘はついていない、と訊問にあたった刑事は感じた。本当に彼女は兄の行方を知らないのかも知れない。
 男にだまされ、男にもらった金で遠くまで子共を堕しに行ったすず子は、その男雪夫が好きだった。雪夫との結婚を夢みるすず子は、とうとう愛する兄を裏切り、警察はそれを利用して吉松を逮捕した。すず子の悲鳴が、暗い上砂川の駅に長く尾を引いた時、モントリオールではオリンピック開会式のファンファーレが鳴り響いていた。


1979年12月 増毛―
  犯人は、人質と共にビルに立てこもっていた』

狙撃班となっていた英治は、ソバ屋の出前持ちに変装して接近、一瞬のうちに犯人二人を撃ち殺した。
 旭川刑務所では、吉松I崚「が処刑された。
 日本中にベートーベンの第9交響楽がはんらんしている年末、英治は5年ぶりに故郷の雄冬に帰ろうと思った。増毛駅に降りると、連絡船は海が荒れて欠航していた。駅前の風待食常では相変らずすず子が働いていた。
雪夫は、妻と子と共にすず子の前を何気ない顔をして通り過ぎて行った。
 欠航で所在無い英治は、街の赤提灯「桐子」に入つた。桐子(倍賞千恵子)は客も来ない暮れの30日、たったひとりで店を開けていた。彼女を見た時、英治は、昼間の増毛駅で見た女だとすぐ分った。彼女が時刻表をたん念に見てている姿が妙に印象に残っていたのだ。もしかしたら旦那を待っているのかも知れない、だが桐子は否定した。ふたりの間になぜかしんみりとした時間が流れ、ボンヤリと見ているテレビで八代亜紀が「舟唄」を歌っていた。

 大晦日、ふたりは留萌で映画をみた。桐子は安っぼいメロドラマに涙をとめどなく流した。「魚座と山羊座は一緒になるとうまくゆくんだって」街を歩きながら肩を寄せて桐子はいった。一組の男と女が結ばれるのに時間はかからなかった。まったく自然だった。
 桐子のアパートで連続射殺犯22号は、英治の拳銃によって撃ち殺された。桐子が傷口に当てたハンカチはみるみる真赤にそまった。
 警察に通報しながら、かくまっていた桐子「男と女ですからね」取調べの警官には彼女の心は分らなかった。その夜、英治は夜中の急行に乗った。札幌についたのは朝の6時だった。ビルやアスファルトがキラキラと光っている中に、直子が立っていた。