
アールデコ様式の生土発電所本館
生土発電所本館はアールデコ様式のなんとも奥ゆかしい建物。斜めに横断している道路は国道246号です。
生土(いきど)発電所は富士電力により昭和5年2月に運用が開始されました。
発電用水の取水口は小山町の野沢川で、音渕の生土城山の直下を導水路が貫いています。野沢川は鮎沢川の支流で、それほど多くの水量は望めませんが、実は上流の菅沼発電所で使用された用水は地中を通り、野沢川付近で合流しています。あくまで菅沼からの導水路が本線で、野沢川は補充用といった関係のようです。
出力:6000kW
有効落差:36.70m
使用最大水量20.04m3/sec

銘板
東京電力株式会社 生土発電所の銘版

生土発電所近景

野沢川にある取水口

平成22年台風9号による被害
小山町野沢川の氾濫はこの地域に甚大な被害をもたらしました。取水口も例外ではありませんでした。


生土線No.1
生土線は1号、2号鉄塔を経て、酒匂川線No.14へ接続している66kVの短い回線です。途中、No.2ではフジボウ小山線に分岐しています。

峰発電所への取水設備
地形図によると峰発電所へは鮎沢川左岸(北側)に導水路があります。生土発電所で使用された水は鮎沢川へ放流されず左岸を進みます。写真の施設は導水路へ水を補充するための設備のようです。
写真手前、右岸側にも用水路があるのが見えますが、これの行き先が不明です。峰発電所へ合流するのなら、なぜ右岸側にあるのか疑問が残ります。
後日、再訪したときに詳細がわかってきました。
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国道246号の下に敷設されている水圧鉄管

水槽オーバーフローから続く余水路

生土発電所全景(クリックで拡大)

発電所背後の山にある水槽
パノラマ撮影のため歪んで描画されています。手前の手すりは実際は直線です。
手前がオーバーフロー。右奥が発電所への取水口になります。

発電所側(谷側)から
右に制水門2門が見えます。

国道246号の下を
歴史的には国道246号のほうがずっと後で、架構造となっています。車からでは気付かないと思います。

◀ 背後の山は尾立城があったと伝えられる頂です。
以前から訪ねてみたいところだったので、そのまま道なき尾根を登ることに。
途中、水槽が見える場所に出ました。

排砂門?
取水口は奥になるため、写真中央の水門は排砂門と思われます。