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東京電力 早川第一発電所

 

早川第一発電所

早川第一発電所

早川第一発電所は大正12年7月に運転が開始された発電所で、最大出力は54,100kWと富士川水系では群を抜いてその規模を誇ります。

現場へは県道37号から東電が1960年に架けた鷲尾橋を渡りますが、この橋の路面部分はグレーチングのような網目構造をしており、やや恐怖を感じます。 構内入口から発電所の間に社屋がいくつかあり観察は困難ですが、敷地の山側にフェンスに沿って山道があり、行けるところまで行ってみました。

近年まで発電機は対岸から見て右の建屋に1から4号機の4台、後から建設された左の建屋に5号機の計5台運用されていましたが、老朽化と性能向上のため1、2号機を更新し新1号機に、4号機は廃止され、3、5号機は継続使用となり合計3台の発電機で運用しています。
発電機の数は減少しましたが、新1号機の性能向上により、更新前より最大出力が2,900kWも増加しています。

新1、3号発電機建屋につながる水圧鉄管を観察すると、左側の径が大きくこれが新1号発電機用だと思われます。
右側には更に2本の水圧鉄管がありますが、4号機用(最も右)は使われていない可能性が大きいと言えます。

2023年8月探訪

地図(別窓)>>

鷲尾橋

鷲尾橋

早川第一発電所

早川第一発電所配置図

変電施設

上流側の変電施設

山道を進んでいくと最初の変電設備が見えてきます。 鉄構の2組の回線は早一線1号、2号です。
2回線の送電線の場合、通常は起点から見て左を1号、右を2号と配置するようです。
早一線154kVは田代幹線No.44に合流しています。

早一線1号

早一線1号

 

早一線2号

早一線2号

変電施設

下流側の変電施設

フェンス沿いの山道をさらに進むと別の変電施設が見えてきました。 鉄構に送電線の名札が掲示されていたので一つずつ撮影。

雨畑線

雨畑 あめはた

雨畑線は早川支流の雨畑川にある雨畑発電所を基点とした66kV1回線の送電線です。 

近年まで早川第三発電所を基点とする早川連絡線66kV2回線がここ早川第一発電所まで通じており、途中で早川連絡線No.44に合流していたようです。
現在は本線である早川連絡線が廃止となったため、鉄塔名も雨畑線に変更されたと考えられますが未確認です。 配置図の鉄塔番号も地図上で数えたもので確証はありません。

榑坪線1号

榑坪 くれつぼ 線1号

榑坪線2号

榑坪線2号

発電機建屋

新1号・3号発電機建屋と5号発電機建屋(右) 

5号機水圧鉄管

5号機水圧鉄管

さらに進むと水圧鉄管が見えてきました。5号発電機で使用しているものです。 通路はまだ続いているのですが、鉄管を跨ぐ橋には立入禁止の表示があり断念しました。一番奥にある百年前からの水圧鉄管を見てみたかっただけに残念です。


送電鉄塔  榑坪 くれつぼ 線 No.1 

送電鉄塔 榑坪線 No.1

送電鉄塔 榑坪線 No.1

  

早川左岸のこの付近は榑坪という地区で、早川第一発電所は榑坪発電所として開業しました。 数年前に身延町波木井で榑坪線No.52を調査したところ、大正9年の銘板を見つけました。
つまり開業時からの由緒ある送電線であることを意味しています。
ただし当発電所の運転開始が大正12年であるため、3年の時期の隔たりが気になるところではあります。

変電施設から接続する榑坪線

変電施設から接続する榑坪線