
早川第三発電所配置図
早川第三発電所は身延町で富士川へ合流する早川の中流域にある発電所です。 筆者の地元の西丹沢には田代幹線が横断していますが、この起点となる発電所であるため、かねてから訪れてみたい地でした。
大正15年12月に運転が開始され、現在は最大出力27,100kWで運用されています。
施設は早川左岸の細長い狭隘な平地に建設されており、下流側から1号発電機のある発電所、早川第三変電所、2号発電機のある発電所建屋と連なる配置で、一般人は早川の対岸に渡る吊り橋を通行することができないため、全体像を捉えづらいものとなっています
1号発電機と2号発電機は導水路が並行する別系統になっており、当初は1号機の運用のみで、2号機の運用は戦後になってからです。 発電所名は運用開始順に第一、第二と命名される傾向にありますが、早川には現在は早川第二発電所の名称を確認できません。
これらに関してはもう少し調査したいと思います。
2023年8月探訪

東京電力パワーグリッド株式会社 早川第三発電所
1号発電所

1号水圧鉄管

1号水圧鉄管と1号機建屋
コンクリートの上りの様子から、建屋は近年、改修されたことが伺えます。

1号水圧鉄管 銘板
設計最大水頭 | 187.189m | |
有効落差 | 149.729m | |
鉄管延長 | 239.695m | |
上流管 | 144.658m | |
下流管 | 95.037m | |
内径 | 1.600〜1.170m | |
板厚 | 6.0〜14.0mm | |
鉄管重量 | 上流管 | 39.511t |
下流管 | 51.441t | |
製作年月 | 上流管 | 2020年 6月 |
下流管 | 1963年12月 | |
製作 | 上流管 | 東開工業株式会社 |
下流管 | 大島工業株式会社 |
1960年代と2020年代に更新されたことが伺えます。

固定価格買取制度に基づく再生可能エネルギー発電事業の認定発電設備
再生可能エネルギー発電設備 | 区分 | 水力発電設備 |
名称 | 早川第三発電所 1号機 | |
設備ID | JG・・・・・・・・ | |
所在地 | 山梨県南巨摩郡早川町大字新倉字小之島上71番地 | |
発電出力 | 7732.0kW | |
発電事業者 | 氏名 | 東京電力リニューアルパワー株式会社 代表取締役社長 |
住所 | 東京都千代田区内幸町1−1−3 | |
連絡先 | (03)xxxx-xxxx | |
保守点検責任者 | 氏名 | 東京電力リニューアルパワー株式会社 甲府事業所長 |
連絡先 | 0551-xx-xxxx | |
運転開始年月日 | 2020年7月1日 |
2号発電所

2号水圧鉄管

2号機建屋

固定価格買取制度に基づく再生可能エネルギー発電事業の認定発電設備
再生可能エネルギー発電設備 | 区分 | 水力発電設備 |
名称 | 早川第三発電所 2号機 | |
設備ID | JG・・・・・・・・ | |
所在地 | 山梨県南巨摩郡早川町大字新倉字小之島上71番地 | |
発電出力 | 20,673.0kW | |
発電事業者 | 氏名 | 東京電力リニューアルパワー株式会社 代表取締役社長 |
住所 | 東京都千代田区内幸町1−1−3 | |
連絡先 | (03)xxxx-xxxx | |
保守点検責任者 | 氏名 | 東京電力リニューアルパワー株式会社 甲府事業所長 |
連絡先 | 0551-xx-xxxx | |
運転開始年月日 | 2018年4月1日 |
早川第三変電所

構内中央に位置する変電設備
早川第三変電所は発電所の細長い構内の中央に位置しています。
受け側の回線として、田代川第一線(11kV)、田代川第二線(11kV)、西山線(154kV 未確認)が接続され、変電設備で昇圧と整流されたのち、田代幹線(154kV 2回線)へ送られているようです。
手元の資料には早川連絡線という回線が記載されていたのですが、近年廃止になったようで、発電所1号機建屋西側に空間があるのはこのことに起因すると考えられます。

東京電力パワーグリッド株式会社 早川第三変電所

田代幹線 No.1鉄塔に接続する回線

左奥から田代幹線2号、西山線(未確認)、田代幹線1号

田代幹線2号

田代幹線1号

三相を示す記号
専門用語は不明なのですが、三相交流のそれぞれの回路に記号が白三角(Triangle)、赤丸(Round)、黒四角(Square)と振られ、JRの送電線にはT,R,Sの文字表記があることを思い出しました。

田代幹線No.1鉄塔の三相記号
以前に当サイトでこれらの記号を上層、中層、下層と説明ましたが、T,R,Sの上下位置は場所により入れ替わるようで、上層=赤丸(Round)などの呼称はできないものと考えられます。
田代幹線 No.1鉄塔では1回線(起点から見て左側)と2回線とで上下の順番が異なっていることが確認できました。