シキ180 全景
撮影:1993.06.06. 浅野駅
シキ180形は昭和40(1965)年に1輌のみが製造された大物車で、形式名称としては一巡して2代目となる。
国鉄浜松工場で製造され、国鉄が所有した車輌であった。
車体は80tまで積載可能な荷受梁に、多軸台車とで構成されている。
この一見すると5軸かと見紛う多軸台車は車端側から数えて2軸-3軸と複式のボギーで、黄帯が施された台車上枠によって納められている。
令和2(2020)年3月 廃車
ロシキ
地域を限定して運用する最高速度65km/h以下の貨車を示すローカルの「ロ」を冠し、車体には黄帯が施されている。
数字の前の▲はJR化後も車籍の継承を意味する。
2020年4月 記
ロシキ▲180と車体に記載
- 積 10.0
- 空 4.5
- 東:国鉄時代の東京管理局の名残と思われる。
- 川島駅常備:川島駅はJR水戸線にある駅で、かつては太平洋セメントの引込線と続いていた。当時はシキ1000形の常備駅でもあった。
シキ180 全景 4位側から
撮影:1993.06.06. 安善駅
ディテール
2軸ボギー
シキ180の台車は2-3軸複式ボギー。
台車上枠には連結器および緩衝器が付随している。
2軸とも板バネは1段リンクで固定されているのが判る。
2-3軸複式ボギー
3軸も詳細に観察したいところだが、生憎うまく撮れていない。シキ160の3−3軸が参考になるだろうか。
走行中の撮影のため、この程度が限界であった。
黄帯の荷受梁
弓形をした荷受梁を詳細に見ていくと、ロシキ180と書かれたウェブを上下からフランジが挟み込んだH形鋼を基本とし、スチフナーで補強し、応力の集中する部分は密に配置してある様子が判る。
スチフナーのフランジとの入隅には溶接部を避けるスカラップという切り欠きが見受けられる。
ちなみに、近年の鋼材溶接ではノンスカラップが増えつつある。
非リベット接合かつスカラップ工法という状態から製造年代が推測できる事例と言えるかもしれない。
この弓形をした基本梁を4列に並べて構成したものが、シキ180形の荷受梁となっている。
ヨ8399 + シキ180 + DE10 1662
積荷はランナーだろうか。
DE10 1662
国鉄色のDE10 1662
このときの牽引車はDE10-1662であった。
2020年4月現在は新鶴見機関区に更新色で配属されている。
撮影:1993.06.06. 浜川崎駅