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夜行急行列車 はまなす

- 最後のブルートレイン -

急行はまなす

日本全国を席巻したブルートレインも2016年3月のダイヤ改正で、夜行急行はまなすが廃止されることで全廃となる。
ここに掲げたのは、ブルートレインの乗り納めにと、北海道へ遠征したときの記録である。
通常は客車7輌編成の急行「はまなす」であるが、そのうち寝台車は2輌と少なく、終末期に購入することは困難であると予想された。
そこで、下りに比べ多少空いている札幌発の上りの、乗車時期も廃止1ヶ月前と定め、みどりの窓口で10時押しを試みたところ無事に購入することができたのであった。指定された座席は増結21号車のB寝台下段向い合わせ席である。

2020年8月 記

札幌22:00発 青森行き 急行はまなす

札幌22:00発 青森行き 急行はまなす

急行はまなすは最後のブルートレインであるが、座席車との混成編成のため寝台急行ではない。
しかし、はまなすは最後の定期急行列車かつ最後の定期夜行急行という貴重な役割を果たしていた。

2016.02.15. 札幌駅


B寝台 360°VR

B寝台 360°VR

はまなすの札幌駅4番ホームへの入線は21:38頃。乗客がいない状態の360°写真を撮影するため、だいぶ前からホームに並び、入線後は一目散に乗り込んで撮影を開始した。そのため札幌駅での外観写真はない。

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増結21号車

増結21号車

客車8輌のうち、種車からの24系はこの車輌のみであった。
この日の寝台車は満席となり、下段向かい合わせ席を友人と筆者が、上段はそれぞれ別の乗客が入ったいわば相席となった。



函館駅

函館駅8番線

函館駅8番線

2:52 函館到着。青函トンネルの保守点検の時間帯なのだろう、ここで一時間ほどの長時間停車をする。
出発は 3:56 。

函館駅の大カーブで

函館駅の大カーブで

函館駅で進行方向が逆転する。かつてはこのカーブの先に青函連絡船が待機しており、貨車を船内に送り込んでいた。
この大カーブは線路が着岸した連絡船の船尾に向かうための設計で、その名残なのである。
この1ヶ月後、青函トンネルに新幹線が通ることになる。個人的には函館駅を訪れる理由もなくなりそうだ。


青森駅

ED79 4

ED79 4

6:19 青森着。
今回は前日までの道内の撮影がたたり、不覚にも寝台列車で寝てしまった。
VRをデッキ等でも撮影したが、列車の揺れで思うような仕上がりにできなかった。

切り離し作業

切り離し作業

青森駅に到着するとすぐにED79は切り離された。
函館駅で進行方向が反転したため、筆者たちの乗車した車輌から機関車までは距離があり、対岸のホームから撮影する時間はなかった。

鉄路の終端へ

鉄路の終端へ

程なくしてED74は青森駅の海側へ移動して行った。

青函連絡船メモリアルシップ八甲田丸

青函連絡船メモリアルシップ八甲田丸

青函連絡船メモリアルシップ八甲田丸はかつての桟橋に係留され、保存展示されている。
桟橋は全部で3箇所あり、旅客用の桟橋は南側の2箇所であった。

2番ホームから青い森鉄道と

2番ホームから青い森鉄道と

青い森鉄道の車輌が停車していた。

DE10 1762と連結

DE10 1762と連結

こういった日常の風景も見納めである。

DE10 1762

DE10 1762

機関車を前面から撮影したいところだが、これより南側は立入禁止になっていた。 北斗星引退時に取られた措置だろうか。

車輌基地へ回送される急行はまなす

車輌基地へ回送される急行はまなす

 


編成表(青森到着時)

(札幌←)スハネフ14 551 + オハネ25 11 + オハネ24 503 + スハフ14 557 + スハフ14 557 + オハ14 503 + オハ14 503 + スハフ14 502 + ED79 4 (→青森)


はまなす 形式写真

1号車 スハネフ14 551 B寝台車

1号車 スハネフ14 551 B寝台車

形式:スハネフ14 550番台

製造:富士重工業

1980年9月10日 オハネフ25 218
1991年12月16日 スハネフ14 551 耐寒耐雪、電源設備改造

急行はまなすに24系寝台車を併結するため、オハネフ25 218に廃車されたスハフ14 500番台の発電機を転用した車輌で、1991年12月に14系化された。
併結している24系に電源を供給するための車輌でもある。

増結21号車 オハネ25 11 B寝台車

増結21号車 オハネ25 11 B寝台車

形式:オハネ25 (0番台)

製造:新潟鐵工所

1974年3月22日 オハネ25 11
1988年? 北斗星用耐寒耐雪改造

2段式開放型B寝台の先魁として1975年に誕生した車輌で、91輌が製造された。
北斗星への転用に際し、耐寒仕様に改造され乗降扉は引戸に変更、車体側面のステンレスの銀帯は3本の金帯塗装に変更された。当編成の中で唯一誕生時と同一形式の車輌でもあった。

2号車 オハネ24 503 B寝台車

2号車 オハネ24 503 B寝台車

形式:オハネ24 501〜504

製造:新潟鐵工所

1974年 オハ14 148
1981年 オハ14 511 耐寒耐雪化
1989年7月10日 オハネ24 503 24系B寝台化

北斗星の増備に際し不足するB寝台車を補うため、1989年7月にオハネ14 511から24系化改造された車輌。

3号車 スハフ14 557 座席車

3号車 スハフ14 557 座席車

形式:スハフ14 550番台

製造:富士重工業

1973年 オハフ15 29
1981年 スハフ14 557 耐寒耐雪、電源設備改造

電源車化された外観上の特徴として、床下にディーゼル発電装置、車体側面の中央には給油口が見て取れる。

4号車 オハ14 515 カーペットカー

4号車 オハ14 515 カーペットカー

形式:オハ14 550番台

製造:日本車輌

1974年 オハ14 152
1981年 オハ14 515 耐寒耐雪改造
1997年 カーペットカー改造

座敷席タイプのカーペット仕様の車輌で、「はなます」と「海峡」で運用された。
下段は枕木方向に、上段はレール方向に寝る設計で、いずれも指定席であった。

5号車 オハ14 503 ドリームカー

5号車 オハ14 503 ドリームカー

形式:オハ14 500番台

製造:日本車輌

1973年 オハ14 142
1981年 オハ14 503 耐寒耐雪改造
1997年 ドリームカー改造

ドリームカーとは、従来のものよりグレードの高いリクライニングシートを採用した車輌で、5号車には女性専用席が設けられていた。

6号車 オハ14 510 ドリームカー

6号車 オハ14 510 ドリームカー

形式:オハ14 500番台

製造:日本車輌

1973年 オハ14 147
1981年 オハ14 510 耐寒耐雪改造
1997年 ドリームカー改造

7号車 スハフ14 502 座席車

7号車 スハフ14 502 自由席座席車

形式:スハフ14 500番台

製造:富士重工

1973年 スハフ14 60
1981年 スハフ14 502 耐寒耐雪改造


ディテール

1号車 スハネフ14 551 B寝台車

のびのびカーペット

オハ14 515 カーペットカーの窓配置は実にユニークである。

増結21号車 オハネ25 11 B寝台車

5号車-6号車

 

3号車 スハフ14 557 座席車

オハ14-503 TR217F台車

 

4号車 オハ14 515 カーペットカー

オハ14 510 ドリームカー

ドリームカーにはミニラウンジが設置されていた。窓越しからその様子が伺える。

5号車 オハ14 503 ドリームカー

オハ14 510 TR217F台車

 

6号車 オハ14 510 ドリームカー

14系-24系寝台-14系座席混成編成

 

7号車 スハフ14 502 座席車

さよなら はまなす!