このページの写真は寝台特急「あけぼの」の乗り納めにと遠征した2012年のものである。 青森付近で撮影していると、何度かアイボリー地にブルーのラインの入ったキハ40系に出会った。 これは非電化線区である五能線からの列車「快速深浦」で、1日1往復の運用があった。
その後、筆者は青森付近を訪れる機会は幾度かあったが、五能線を走破するにはダイヤが不便すぎたため断念している。
キハ40系のうち寒地用に当初設計された形式は、両運転台のキハ40形500番台、片運転台・両開き乗降扉のキハ47形500および1500番台、片運転台・片開き乗降扉のキハ48形500および1500番台の5タイプがあり、キハ47形は通勤ラッシュの激しい新潟地区に配属され、秋田車両センターにはそれ以外の3タイプを見ることができた。
片開き乗降扉の車輌には客室との間にデッキがあり、外気の流入を抑える風除室の役目をしていた。
令和3(2021)年3月12日 五能線定期運用終了
2022年12月 記
東北の初夏の緑を行く快速「深浦」
キハ48 1509 + キハ48 518
500番台と1500番台の差異は便所の有無で、便所のない1-3位側であっても
車輌後部の屋根に水タンクが搭載されていることで区別できる。
撮影:2012年06月11日 奥羽本線 大釈迦 - 鶴ヶ坂 間
キハ48形 500番台
キハ48 520
キハ48型500番台はキハ40系のなかで寒冷地仕様として設計されたタイプで、4位側には便所を備えている。
1999年からJR東日本リニューアル車として、屋根上にバス用の冷房装置AU26J-Aが2基搭載された。
キハ40系に共通した仕様として、2位-4位側の側面には中央やや前寄りにはルーバーがある。 これはディーゼル機関で燃料との混合気に使用される吸気口である。
両側面の中央やや後ろ寄りにも、これより小型のルーバーが設置されている。 こちらはエンジン冷却用のための設備である。
項目 | 値 | |
---|---|---|
定員 | 座席数 | セミクロスシート 74 |
立席数 | 34 | |
主要寸法 | 最大長(mm) | 21,300 |
最大幅(mm) | 2,930 | |
最大高(mm) | 4,055 | |
台車中心間距離(mm) | 14,400 | |
自重(t) | 36.6 | |
動力機関 | 形式 | DMF15HSA (種別-3) |
連続定格出力(ps)/ 回転数(rpm) | 220/1,600 | |
台数 | 1 | |
最高運転速度(km/h) | 95 | |
台車 | 形式 | DT44A,TR227A |
軸間距離 | 2,100 | |
枕ばね | 空気ばね | |
軸ばね | エリゴばね | |
車体 | 運転台 | 片側 |
暖房装置 | 温風 | |
冷房装置(形式・台) | AU26J-A 2 | |
便所 | 和式 1 | |
付属装置 | 冷却水容量(ℓ) | 400 |
燃料タンク容量(ℓ) | 800 | |
便所用水タンク容量(ℓ) | 250 x 2 | |
製造 | 初年度 | 1979 |
輛数 | 59 |
キハ48形 1500番台
キハ48 1504
キハ48型1500番台もキハ40系のなかで寒地仕様として設計されたタイプで、500番台との相違は便所のない点である。
1504号機は雨樋の側面竪樋が外部に露出した個体であることが見て取れる。寒地型としてはこちらが正統派で、凍結がもたらす腐食進行に対するメンテナンスの容易さに起因する。
項目 | 値 | |
---|---|---|
定員 | 座席数 | セミクロスシート 82 |
立席数 | 34 | |
主要寸法 | 最大長(mm) | 21,300 |
最大幅(mm) | 2,930 | |
最大高(mm) | 3,895 | |
台車中心間距離(mm) | 14,400 | |
自重(t) | 35.9 | |
動力機関 | 形式 | DMF15HSA (種別-3) |
連続定格出力(ps)/ 回転数(rpm) | 220/1,600 | |
台数 | 1 | |
最高運転速度(km/h) | 95 | |
台車 | 形式 | DT44A,TR227A |
軸間距離 | 2,100 | |
枕ばね | 空気ばね | |
軸ばね | エリゴばね | |
車体 | 運転台 | 片側 |
暖房装置 | 温風 | |
冷房装置(形式・台) | AU26J-A 2 | |
便所 | - | |
付属装置 | 冷却水容量(ℓ) | 400 |
燃料タンク容量(ℓ) | 800 | |
便所用水タンク容量(ℓ) | - | |
製造 | 初年度 | 1979 |
輛数 | 59 |
DT44A
2つのばねを軸箱の両側に配置したウィングばねタイプとして設計され、着雪および氷結による性能低下を防止するため、ばね廻りはゴムで被覆されたエリゴばねを採用している。逆L形の枕梁に隠れて見えにくいが、枕ばねはそれまでのコイルばねから空気ばねへと転換した台車である。
運転台側の台車が駆動台車のDT44Aで、後方は付随台車のTR227Aであった。
駆動輪はエンジン側の1軸のみで、写真のDT44Aでは左側がこれにあたる。 砂箱と砂撒き管は駆動輪にのみ設置されていることからも見て取れる。
青森駅をあとにするキハ40系 快速「深浦」
撮影:2012.06.10. 青森駅