キヤ141系
キヤ141系はJR西日本の軌道・電気総合試験車で、ドクター・ウェストの愛称がある、2輌のユニット編成で、2006年に2編成が製造された車輌である。
写真はたまたま留置線に停車していたキヤ141系を撮影したものである。 神出鬼没な試験車は目にすることも稀であるが、ゆっくり撮影できる機会に恵まれたため、ここに形式写真として掲載することにした次第である。
2023年1月 記
撮影:2021年09月24日 米子駅
キヤ141-2
キヤ141-2
2輌のユニット編成のうち、こちらのキヤ141形が動力車でディーゼル機関や発電機を搭載している。
写真を詳細に観察すると、屋根上には前方から防護無線アンテナ、ドーム状筐体、空調室外機2台、アンテナ類3基が配置されている。
ドーム状筐体は上部観測機器だろうか。その周囲にはフックが確認でき、おそらくこの部分の屋根は取り外し可能で、発電機などの大型機械の搬出に利用しているものと考えられる。
側面に大型のルーバーがあることからも、冷却が必要な機器が格納されているものと予想される。
3位側には作業員の乗降扉があり、その前方には機械用のハッチが見て取れる。
キクヤ141-2
キクヤ141-2
はじめに「キクヤ」という見慣れない形式に関してであるが、気動車というカテゴリーの形式の頭には必ず「キ」が符号される。
気動車は基本的にエンジンを搭載した動力車で、付随車は極めて稀な存在で、中間車には「キサハ」などが存在する。
これに対し、当車輌は運転台のある制御車であることから「キクヤ」と符号された。
通常の気動車は制御車であっても「ク」は符号されないため、筆者は戸惑いを覚えた。
キクヤ141-2 側面
窓の配置から推測すると、作業室はこちらの車輌に重点が置かれ、検査やデータ解析が行われると思われる。
側面の小窓からはレーザー測距器で障害物の検知を行っているのだろう、かつてのオイラン列車が物理的に計測していたことと比較すると時代の進歩を感じる。
WTR247台車
WTR247台車は軌道検測を行う台車でキクヤ141形は前後ともこの台車を装備している。