箱根山系鳥瞰図
 

価格 ¥1,500(消費税税込み)

サイズ B2  728 x 515 mm


この地図の特徴

箱根の山を東から俯瞰した鳥瞰図です。
複雑な地形を明解に認識できるよう、標高別に色分けした詳細な山岳地図になっています。

 

この縮尺になると、かなり詳細に記述できるため、景図工房の鳥瞰図ポスターシリーズで、最も労力を費やした作品となりました。箱根エリアの山岳系地図で最も密であると自負しております。

 

■山名の収集
神奈川県西部の足柄平野から箱根山を見上げると、大きく横たわる明神ヶ岳が独占し、山座同定は完了します。
箱根エリアにおいては、国土地理院刊行の地形図に表記されている山名は10座程度しかありません。
広大な山域にしては山名が少なく、山頂から放射状に拡がる尾根や小ピークに名称はないものかと、疑問を抱いたことが、この地図を制作する原動力になりました。

文献調査を進めていくと、明神ヶ岳と呼ばれるようになったのは、明治以降のことで、かつては狩野山と呼ばれていました。麓にある狩野村の裏山ということに由来します。裏山にしては大きすぎますが・・・。
更に詳細に調べて行くと、小字(こあざ)名が細かく付けられていることもわかりました。
当地図で斜体茶色文字で表記したものが、これらになります。
小字名の管理は各自治体によって異なるためバラツキがありますが、山岳地域においては可能な限り記載しました。


字名は当て字となったものも多く、興味深い名称をいくつか挙げておきます。

「桜荷場(おうにんば)」。同じ読みで大人場という字名も残っています。急勾配のため荷物を牛馬から人へ積み替えた場所で、負う荷場が語源と推測されます。

「酸奨荒(ほおずきゃら)」
難読地名ですね。場所は御所山砦のあたりで、ホオズキ沢の源流であるため、これが語源に関係していると考えられます。

■投影法
この地図はアイソメトリック図法という平行透視図で、計測する方向が同一なら、遠方を描画した部分と近景とが同縮尺となります。
地図左下に表示した立方体の一辺が1kmに相当します。
地形を立体的に表現することで、箱根山の外輪山とカルデラ、中央火口丘の関係が明確に理解できることと思います。


部分詳細

 

■登山道
公式、非公式の区別なく表示しています。
自治体で管理されている登山道・ハイキング道以外を歩かれる場合は、あくまで自己責任でお願いします。
このエリアの地形ならば大抵の場所は歩けてしまいますが、ヤブの繁茂状況によっては踏破は不可能となります。現地に明るいはずの作者自身が遭難しかけたルートもありますので、非公式ルートの計画は慎重に判断してください。

歴史的なルートとして、鎌倉古道、関白道、旧東海道の現在通行可能な部分も表記しています。
(関白道に関しては小田原山盛りの会によりヤブの苅払いが行われたときのルートです。現在はヤブに戻っています)

 

■城郭遺構
箱根は街道が峠を越え、クニ境に接した重要な拠点だったため、小田原城の出城がいくつも点在しています。古道を推定する上でも重要な遺構であるため、当地図では城、砦、陣場等の伝承地も記載してあります。日本最大の外郭を有していた小田原城に関しては、その範囲(総構え)を示してあります。

■水力発電所
起伏に富んだ地形の箱根には、その地の利を活かした水力発電所が多く、中には一世紀以上の歴史を有するものもあります。地形マニアには興味のつきないアイテムです。
河川から取水し導水路でほぼ水平に山中を貫き、落差を確保しています。
当地図では地中の導水路は透過した状態で表示してあります。

 

■送電線
深い森の中を登山していると突然、送電線の鉄塔が現れることがあります。大自然の中の人工物は、現在地を知る手がかりとして利用できるため、当地図では山岳地域では送電線名を、登山道付近にある鉄塔には名称と番号を記してあります。送電線の見方に関しては同梱する資料に少し詳しく書いてあります。

当地図を制作するにあたり、関白道および小字名調査に関しては「小田原山盛りの会」様、足柄峠付近の古道に関しては「ヨコハマ古道」様、小田原市の小字名資料につきましては田代道彌先生から資料をご提供頂きましたことに,心より感謝致します。

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