内山発電所


内山発電所

山北発電所で使用した水は一旦酒匂川へ合流しますが、すぐに役野(やくの)の水門へ導水されます。合流というより交差といったほうが正しそうです。
用水路は酒匂川の南側(右岸)の崖の上を流れていきます。内山発電所の少し上流は痩せ尾根という地形を活かした春日山城がありましたが、現在、遺構は全く残っておりません。
痩せ尾根をほぼ水平に流れてきた用水の落差を内山発電所利用し発電しています。
 送電線は福沢線の終点、大雄線が経由が経由しています。大雄線は西相模変電所と高松山の南尾根で新秦野線とを結んでいます。鉄塔の番号は上流側が若番というのが原則ですが、大雄線は逆であると考えられます。

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内山発電所

出力:3900kw 水量:20.9m3/sec 
有効落差24.36m 発電機数:3台 

3本の導水管からもわかるように発電機が3台あるそうです。酒匂川水系の発電所では唯一。大正7年1月運用開始。

内山発電所と送電鉄塔大雄線No.32

2004〜5年冬に法面工事がされていました。
用水路のゴミ搬出設備を作っていたようです。

変電設備

 

岩流瀬(がらぜ)橋

用水の一部は岩流瀬でサイホン式に酒匂川の下を横断し、左岸のお堂付近に再び現れ、松田用水となります。写真(上)の堰堤直下が横断部と予想されます。

 


用水路は文命用水として酒匂川の南側を迂回し、通称大口山(おおくちやま)を貫き、福沢第一発電所へ向かいます。
手前は酒匂川への放水路(左写真)。


分水の様子

大雨などによる増水時には発電を停止させるようです。ふんだんに水が使えそうな気もしますが、土砂の流入による被害を危惧してのことと思われます。水路の水は止まり、断面形状が見られます。

 


分水路の様子


松田用水取水口

 


水利使用標識

河川名 二級河川酒匂川
許可年月日 許可番号 昭和63年 3月31日
 神奈川県指令河第1〜189号
許可期限     平成30年 4月22日
許可権者名    神奈川県知事
水利使用者名   東京電力株式会社
水利使用の目的  発電
取水量      最大20.31m3/s
貯水量
取水施設管理者名 東京電力松田制御所 土木保守G
所轄事務所名   神奈川県松田土木事務所

水路は内山発電所より下流にあたるため、管轄は福沢第一発電所扱いのようです。水量が発電使用量の20.9から20.3(m3/sec)に数値が減少しているのは松田用水へ分水したためと思われます。


福沢第一発電所 取水口制水門

型式      鋼製スライドゲート
純径間X扉体高  2.860m X 1.530m
揚程      1.500m
門数      3門
電動機容量   1.5kW
開閉速度    0.3m/min
扉体重量    1.40ton
製作年月    昭和62年3月
製作      株式会社田中機械工業所
         静岡県富士市五貫島字靖国793番地

発電所上流側の水路

この付近に春日山城があったといいます。現在その遺構は全く残っていません。

更に上流部

山北発電所で使用された水は役野の水門から取水され、何度か地中に潜り流れてきます。

外部リンク:国土地理院 地図閲覧サービス


内山発電所水槽 2012年12月撮影

酒匂川への余水吐

集塵機とスクリーン


水槽全景

左側の酒匂川への余水吐は矢板でかさ上げされ、現在は使用停止になっているようです。


制水門近景

門扉に番号、24、25、26と記されています。

2010年9月8日 台風9号による被害

内山発電所自体の被害はなかったようですが、先述のサイフォン式用水路が破壊され断水状態となってしまいました。

用水は松田用水として、酒匂川左岸の水田を灌漑しています。水田が水を必要とする時期を過ぎていたことは、幸いでしょうか。
一方、班目の三菱瓦斯科学も工業用水として利用しているため、こちらの影響は甚大かと思われます。
近年、ダム等の影響で土砂の流入が減少し、酒匂川の川床面が低下していることが被害の原因の一つかも知れません。2007年の台風9号では松田町の十文字橋の橋脚が流され、落橋しました。


岩流瀬橋から

予想していた通り、堰堤部に水路が通っていました。
直径1mほどの導水管が見えます。


平常時の堰堤(左下)


台風9号の痕

左写真とほぼ同じ場所を撮影。

 


 


その後 2011年3月現在

松田サイフォンと魚道の修復工事が進んでいました。(クリックで拡大)
写真右には用水へ酒匂川の水をポンプアップしている塩ビ管群が見てとれます。
魚道の互い違いに突き出た躯体は2次製品で、撮影時はそのつなぎ目をモルタルで充填している作業がおこなわれていたようです。

松田用水は維持費や修復費を東電が賄う取り決めが大正時代に結ばれ、それが今もいきています。

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