東京電力 柏尾発電所取水ダム


初鹿野発電所を探訪していると、構内に水路が見えてきました。いくつかの看板から、下流にある柏尾発電所の設備であることが分かりました。
この用水路の水は初鹿野発電所自体で使用されないため、構内にあっても名称は柏尾発電所取水口を名乗ります。
柏尾発電所の運用開始は大正12年5月です。構造物のいくつかは当時から使用されていることが構造や様式から窺い知れます。

 

 


柏尾発電所取水ダム パノラマ撮影

二つの排砂門のうち、左側は切石積みのアーチ構造が残っています。また洪水吐をはじめとする床固工も切石積みで施工されています。
この曲線がなんとも美しい。
 


柏尾発電所取水ダム排砂門のプレート(右岸側)

柏尾発電所取水ダム排砂ゲート

純径間 X 扉高 1.850m X 2.000m
型  式     鋼製スライドゲート
操作速度     0.30m/min
扉体重量     794kg
製作年月     昭和51年9月
製  作     飯田鉄工株式会社


柏尾発電所取水ダム排砂門のプレート(本流側)

柏尾発電所取水ダム排砂ゲート

純径間 X 扉高 2.150m X 2.000m
型  式     鋼製スライドゲート
操作速度     0.30m/min
扉体重量     877kg
製作年月     昭和51年9月
製  作     飯田鉄工株式会社


取水ダム(左)から沈砂池へ通じる水路 (パノラマ撮影)

 


水利使用標識

河川名      1級河川、富士川水系日川
許可年月日    昭和51年3月1日
許可期間     平成17年12月31日(現在申請中)
水利使用者名   東京電力株式会社
水利使用の目的  発電
取水量      最大 1.50m3/S
貯留量       m3
取水施設管理者名 東京電力株式会社 大月支社長
所轄事務所名   国土交通省関東地方整備局


沈砂池

 


柏尾発電所 1号沈砂池排砂ゲート

門 数    1門
純径間X扉高 1.345m X 1.260m
扉体重量   0.24t
開閉速度   0.3m/min
製作年月   平成6年3月
製 作    飯田鉄工株式会社


沈砂池を経て

ここで土砂を沈殿させ、上澄みを発電に使用しています。沈砂池の中に橋のように水路が架けられているため、沈砂池下流側からも上澄みが落ちる仕組みになっています。
この日の流量はご覧の通り僅かなものでした。

 


初鹿野発電所の用水と合流

沈砂池を経た水は構内の地下を流れ、敷地の北西の隅で初鹿野発電所で使用した用水(写真右)と合流し、すぐに山の中へ消えてしまいます。
写真左のアーチは余水吐のようです。
 


合流部

写真左が取水ダム側、右が柏尾発電所側。
手前が初鹿野発電所になります。
中央のアーチは排砂門と思われます。

 

探訪 2011年5月

小さな発電施設でしたが、一世紀近い歴史を有し、また当時の構造物も数多く残る貴重な産業遺産といえます。
とりわけ筆者が感動したのは、幅が1mにも満たない切石積のアーチで、水路という過酷な条件の中、今なお現役で活躍している様は、威厳さえ感じます。


関連:
初鹿野発電所

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